それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

嘘から始まり嘘に終わる

世間では「町田祭り」で
盛り上がったとか、そうでなかったとか。

あの日、衝撃の土方歳三から数時間後
「鴨下淳之介」という
嘘みたいな出来過ぎくんの姿で
お茶の間に再登場されたのでした。

一応、録画はしてたのです。してたのですが
土方のあまりの案山子っぷりに頭抱えて
到底、観る気にはなれませんでした。

加えて共演が、演技に関して
あまり良い評判が聞こえて来ない本田翼。

私,、申し訳ないけど、この方の出演作は
『リモートで殺される』しか観たことなくて
ほとんどがパソコンのモニター越しだったのと
いいだけ伏線ばら撒いといて
回収する気あるんか?と言いたくなるような
お粗末ストーリーだったものですから
記憶に残ってないのです。

(伏線回収に関しては、お馴染みの
「続きは○○で」で有料サイトヘ導く手法)

もう見ないまま消去しちゃおうか
いやいや、せっかくだからザッと見とくか。
で、遅ればせながら『嘘から始まる恋』。



冒頭の本田翼のナレーションで
やっぱり消去だな、こりゃ……とは思いました。
これこそ「棒読み」のお手本。

しかし!本編に入って、従姉妹に苦境を
これでもかと訴える様子は
棒から打って変わって、熱量がスゴい。

とにかく相手に「うん」と言わせる
イコール
身振り手振りマシンガントークかます
うーん、わかりやすい。

これが連続ドラマなら、オーバーアクションが鼻につき、早々に脱落物でしょう。

が、1話完結の軽いラブコメなら
こういう最大瞬間風速が良いメリハリになるんですね。

加えて、役柄が等身大だからか
「ゴチ」で見せた素そのままが一貫して溢れ
なかなかイイじゃないか、本田翼。でした。

私が一番気に入ってるのは
高級寿司屋の高飛車大将に淳之介が怒り
帰る間際で、咄嗟に残ってる寿司頬張る莉子。
可愛い。可愛過ぎるぞ。惚れてまうやろ。

で、その淳之介ですが
イケメン、スタイル抜群、エリートと
ここまでは黒沢と一緒。

でも、ただ一つ違っていたのは
淳之介は鼻持ちならないナルシシストだったのです。

姿形は、若干髪型が変わったくらいで
ほぼほぼ黒沢なのですが
佇まい、表情、喋り方、完璧に
自惚れ男「淳之介」なのでした。

ハイスペック完全武装のヤツに有りがちな
端から見ると「かなりイタイ」挙動も
黒沢時代を経て堂に入ったもので
巷では「様子のおかしいイケメンを演じさせたら日本一」の称号が付けられているとか。

いやはや全く、これがあの大惨事土方演った
同一人物かと我が目を疑うほどの素晴らしさ。
そうか。この人の持ち味を最大限活かせるのは
こういう役柄か。

人狼ゲームでフリーズを装うとこなんか
爆笑でしたし、莉子と二人での
「きりたんぽの国」「りんごの国」は
絶妙なコンビネーション。

そして出ました!
名ゼリフ「俺は俺と付き合いたい」!
これは相当な男前じゃないと様になりません。



……というわけで、町田啓太再評価と相成ったわけですが、イケメンの中の新ジャンル
「様子のおかしいイケメン」の需要というのが
今後どれほど望まれるのか。

突然ですが、ビールの世界で例えると
新ジャンルはまさに「第三のビール」。
どう頑張っても、ホップの利いた本格ビールには敵わない。
でも、お手頃でそこそこの味が楽しめるという利点はある。

生き馬の目を抜く芸能界で
必要とされる人材で在り続けるのは大変なことです。

是非とも彼には
新ジャンルの雄「本麒麟」のような俳優を目指してほしいものです。



最後に一つだけ不満を。
あのキスシーンは
明らかに「やったふりキス」ですね。
見たことあるぞ『チェリまほ』で。

コロナのせいかどうか知らんけど
出演者のNG要請があるんか知らんけど

タイBLドラマで、これでもかってくらい
バッチリキスシーン観てる身としては
「せぇへんのかい!」と
叫ばずにはいられなかったぞ。