それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

啓太、それ謙虚やない。過剰防衛や。

お暑うございます。
こう暑いと、行動も思考も停滞気味になってしまいますね。

などと言い訳をしつつ
やはりどうしても引っ掛かるモヤモヤ案件に
今回、挑んでみます。



それは、他でもない我らが町田啓太さんの
誰彼構わず「さん」付け問題です。

例の大河の土方歳三役抜擢に当たって
意気込みを語ったインタビュー記事。
あそこから、何となく違和感を覚えてはいたのです。

土方歳三さん」呼びに。

出番としては、あの通り「えっ、こんだけ?」というフワッとしたものでしたが
歴史上の人物としては、むしろ主人公の渋沢栄一よりもビッグネームでしょう。

その(名前だけは)大役を担うに当たり
並々ならぬ意気込みを表すだけではなく
もしかしたら個人的に密かに
土方歳三さん、マジ、リスペクトっす」
なのかも知れんと、その時は
百歩譲って右から左へ受け流しました。

が、最近の『北斎づくし』アンバサダー就任で出ました、出ました「葛飾北斎さん」。

しかもインタビュー内容からは
以前から葛飾北斎に興味があって
独自に研究していた感など皆無。

そうなると、かろうじてスルーしてた
あの「土方歳三さん」が否が応でも蘇り
これは捨て置けませんぞと、相成り候。



この「さん」などの敬称をどう扱うかについて
厳密にこうでなければならぬルールは
ありません。ありませんが、
日本人が普通に日本語で生活している際
違和感を抱かない、なんとなくのラインみたいな物は自然と生じます。

この厳密ではないというところがミソです。

例えば本件のような歴史上の人物の場合。
大抵、敬称付けはしません。
が、例外もあります。
それはその人物に特別な思い入れがある場合です。

尊敬、心酔していて、とてもじゃないが呼び捨てなんてできません!と。
山口県の「吉田松陰先生」とか
山梨県の「信玄公」のような
地域に根ざした呼び方なんて
まさに、そうですね。

また逆に、好き過ぎて敢えて呼び捨てにする場合もあります。
芥川賞作家の又吉さんは大好きな作家を
太宰治」と呼び
俳優の武田鉄矢さんも、愛して止まない人を
坂本龍馬」と呼んでいるのです。

呼び捨てなんだけど、その人への強い思い入れを共通認識として我々は知っているので
却って「愛」を感じ取ることができるんですね。

歴史の教科書を読むように
事務的に「坂本龍馬」と呼ぶのと
同じ呼び捨てなんだけど
そこに微妙なニュアンスの違いを感じ取ることができるのは、まさに「厳密ではない」日本人の日本語らしいところだなと思います。

で、翻って「土方歳三さん」「葛飾北斎さん」
案件ですが。
どう好意的に読んでも
そこに深い愛はあるんか?なのですよ。

しかも、聞き手は普通に「土方歳三」「葛飾北斎」呼びなので
初め芽生えたアンバランスさが
インタビューが進むほど、転げ落ちる雪玉のように膨らんでいくんですよね。

これは実に居心地が悪い。

と、思ってた矢先
別件の「敬称」問題が勃発しました。
上白石萌歌さんが「スピッツ」と発言したことで「スピッツさんと言わないのはけしからん」
という文句が出たとのこと。

これも日本語の面白いところで
仮にそれが個人名だったら
フワちゃんでもない限り、絶対「さん」付けしたはずなんです。

ところが「スピッツ」はバンド名。
つまり団体なんですね。

じゃあ、文句を言ってる方たちは
「B'zさん」「サザンオールスターズさん」って
言うんでしょうか?

もっと言えば、その伝でいくと
「B'zさんの稲葉さん」「サザンオールスターズさんの桑田さん」って言わなければならないわけですよね。

この何でもかんでも「さん」を付けないと失礼っていう風潮。
段々ひどくなっているように思うのです。

そして、失礼呼ばわりされたくないがために
ますます何でもかんでも「さん」を付ける。
もう悪循環です。

言わば保身のための「さん」付け。
そんな不純な敬称付けされても嬉しくないだろうなと思ったら、まさに
当のスピッツの方は「スピッツさん」と呼ばないでくれっておっしゃってるそうで
上白石さん、大正解だったのです。

先程も書きましたが
愛しているが故の「呼び捨て」もあるのです。

ましてや、特別な感情が有るわけでもない
歴史上の人物に「さん」を付けるなど
愚の骨頂なのでございますよ!

なんでも、町田さん
関口メンディーさんに「謙虚ハラスメント」と言われているそうで。
メチャクチャモテる事実を頑として認めず
謙遜ばっかりだからだとか。

そう!過ぎたるは及ばざるが如し。
美徳も方向違いに行き過ぎると
却って嫌味になったり
違和感を抱かせたりするのです。

10代、20代前半くらいなら
「あら、カワイイ」で済むかもしれませんが
30代はそうもいきません。

このまま、素でも様子のおかしい
外はイケメン、中身はジミーちゃんっていうのも、それはそれで面白キャラとして需要があるかもしれませんが。

一度『笑ってはいけない』に出て
吹っ切れてみるといいんじゃないでしょうか。