それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

ココロのスキマ お埋めします

この前の「スキマ」はピンク色でしたが
今回のは「人生に絶望して出来た心の穴」
とでも申しましょうか。

覗き込んだら最後、飲み込まれて人生終了してしまいそうな
真っ黒くろすけブラックホールです。

我らが町田くん主演『テッパチ!』第2回は
訓練生第1班諸君のそれぞれの事情が明かされ
まぁ、皆さんそこそこの崖っぷち人生でした。

ネタバレいたします。






前回の「逃げるのか」で挑発ついでに
因縁の荒井と体力検定で勝負してみろ、と
ナイスな提案で宙を思い留まらせた八女教官。

宙くんってのはアレですね。
自分の行く道は自分で決める風にイキってますが
結構、人の言うことに一々反応してますよね。

コレを受けなきゃ男がすたる的なスイッチが
発動しやすいのか
八女教官の提案も、後の荒井の「負けた方が辞める」というオマケ提案も
上等だよと受けちゃう無鉄砲ぶり。

小説家志望の小倉くんじゃないけど
根拠のない無鉄砲は、ただの「単細胞」。
今まで、散々痛い目に会っているのに
それでもそういう生き方しかできないところが
宙の弱点でもあり、魅力でもあります。

来たる体力検定に向けて、バチバチで張り合う
宙と荒井は、ほとんど中2男子ですね(笑)

シャバでツッパってた頃は
「ナイフみたいに尖っては
触るものみな傷つけた」ような荒井。
が、宙と競い合っている時にふと見せる
「負けないゾ!」な表情が可愛いのよ。

で、目一杯汗かいたら
皆さんお待ちかねのシャワーシーンになだれ込むという
子供っぽい男→セクシーな大人の男の畳みかけでノックアウトですわ。
これは良い仕掛けです(笑)

  (余談ですが、町田くんの仕上がりは
   見事ですねぇ。
   黒沢くんのこの身体を見たら
   白玉肌の安達くんも思わず
   ピンク色になっちゃうなぁ……などと
   つい不埒なことを考えてしまいます)

だがしかし!
今回のラブラインは紅一点の桜間教官です。
彼女に対する宙の態度も、まるで
美人教師にほのかに憧れる中2男子で
可愛いやらもどかしいやら。

「勝っても辞めてやるよ。俺は必要ないんだろ?」と
真っ直ぐ見据えてくる宙から
視線をスッと外した桜間教官。
ハイ、恋の予感の一丁上がり!

一方、1班の学級委員長的存在の馬場くんから
宙と荒井の密約を聞いた八女教官が
班員それぞれが抱える事情や思いを
宙に語り出すわけですが

揃いも揃って、のっぴきならない崖っぷち。
そこへ宙くん同様、八女が声を掛けて
今に至るというわけですね。

まぁ、ドラマだから、そんなにそんなに
何でお誂え向きな人材に偶然出会えるのか?
には目を瞑りましょう(笑)

ただ、声を掛けて来たのが
自衛隊だったから良かったようなものの
最悪、怪しげな宗教や儲け話にも
安々と引っ掛かってしまいそうなほど
皆さん、心がへし折られた状態だったのです。
 
彼らに救いの手を差し伸べた
仏様のような八女教官が
「ココロのスキマをお埋めします」と
寄って来る喪黒福造に、その時一瞬見えたのは
果たして、私の目の錯覚だったのか?

さて、体力検定で荒井に負けた宙。
部屋でうなだれる彼に
訓練ブーツを磨きながら
「自分で決めた道だから、途中で投げ出したりしない」と
生真面目で不器用な自分をさらけ出して
淡々と語る馬場くん。

この「自分で決めた」がキーワードなんですね。
桜間教官にも言われました.
「あなたはどうしたいの?」と。

実は宙くん、自分の言動をすべて
「○○がそう言ったから」「△△がそうしたから」と
人のせいにしてしまうクセがあるんですね。

今回の自衛隊辞める辞めないも
根本的な「自分自身は辞めたいのか?」が
さっぱり見えて来ないのです。

失意のまま、屋外の喫煙所でふかしていたら
今度は因縁の相手、荒井が一服しにやって来ます。

やたら禁煙、分煙と、喫煙者に厳しい世情で
ドラマでも喫煙シーンは
珍しい部類になっていますが
この行き場のない男二人の
紫煙くゆらせながらポツポツ語るシーンは
見事でしたね。

反発し合ってた時から
この二人は何かを切っ掛けに心が結び付くだろうな、とは思ってました。
こういう熱血話には有りがちな流れなので。

過去の苦い思い出のシーンを挟み込んで
少しずつ距離が縮まる様子がとても自然で
良かったと思います。
いいヤツじゃないか、荒井くん!

翌朝、ランニング中に偶然出会った桜間教官から言われた
「仲間と家族のようになれたら
一人前の自衛官になれるかもよ」。

そして、かつて八女教官が言った
「お互いをつぶし合うな。支え合ってくれ」
が甦り
宙くん、とうとう自衛官になる覚悟を決めたようです。

でも、その気持ちの現れた言葉は
「しょうがねぇなーー」(笑)
あんたらがそんなに言うからだぞ
しょうがねぇなーーとは、宙くんらしいです。



さ〜て、これで大団円かと思ったら
そうは問屋が卸さないのがテレビドラマです。
先程の「八女=喪黒福造」疑惑がムクムクと。

高卒叩き上げの八女中隊長
今回一人も脱落させずに卒業させれば
希望の職務に復帰できるという密約を
上司と交わしていたのです。

人生ドン底の彼らを
ただの善意で救ったわけじゃなかった……
という裏事情が明らかとなったわけですね。

そうなると、敢えて他に行き場が無い
崖っぷちだけを集めた意図も見えてきて
八女の隠れた顔が及ぼす今後の影響が
気になります。

そして、最後の最後まで謎の人物だった
班員・武藤の過去が
宙や他の皆の黒歴史の比ではない
「父親殺し」という真っ暗闇だった衝撃。

やっと第1班が軌道に乗るかと思いきや
新たな波乱の幕開けとなってしまいました。

おかげで、懸念だったガンマニアの影が
薄まりはしましたが
もっと真っ黒な人が控えてたとはなぁ……