それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

今、日の本はこんなことになっています

水戸烈公の忠臣、武田耕雲斎
天狗党騒乱の咎により
斬首されてしまいました。

同じく過激な攘夷思想を吹かしていた長州も
蛤御門の変失敗により
逆に異国を懐柔して幕府を倒そうという路線へ大きく舵を切ります。

多大な影響を受けた攘夷思想の終焉を目の当たりにした篤太夫
最大の恩人である、亡き平岡円四郎の遺志を胸に刻みつつ
自分の持てる能力を一橋家のために存分に発揮することが
円四郎、慶喜への恩返しとなり
ひいては日の本建て直しへの貢献になると
己の進むべき道を見定めたのでありました。

ベベン、ベン、ベン、ベン、ベン

おお、やっと腰が据わりましたな、栄一殿。

かつて攘夷熱に浮かされ、勢いで藤田小四郎を煽ってしまったのは
自分の思いと国の状況とが掛け離れ過ぎていたもどかしさ故。

しかし立ち位置変わって、あの一言のせいで
小四郎だけでなく耕雲斎まで追い込むことになってしまい
太夫の良心、痛むこと、痛むこと。

天狗党討伐に向かうときの表情に
複雑な胸の内が表れてましたね。

だが、案ずるなかれ。

成一郎も言っていたように
天狗党の一件はなるべくしてなったのであり
慶喜の密書を読んで、すぐさま自らの非を悟った耕雲斎とは違い
そこを読み取れず、ただ栄一に梯子外されたとしか思い至らない小四郎は
所詮その程度の思慮の器だったのです。
酷な言い方ですが。

この時の成一郎、篤太夫の動揺をビシッと断ち切って
見事でしたね。



さて「青天を衝け」
夷狄 VS 日の本から、倒幕派 VS 佐幕派へとラウンドが変わりますが
一貫して変わらないものがあります。

それはやはり、天子様を柱とする日本国体の安寧秩序です。
思想信条、実現への道のりは違えども
目指すところは一つなのです。

御所に弓を引く形になってしまい
朝敵と見なされた長州も
目的は決して天子様を脅かすことではなかった。

大惨敗に終わった天狗党
亡き水戸烈公の教えに殉じただけ。

最終目的は同じなのに
太夫が嘆く「国を思う者を無駄死にさせる」結果を招いてしまうのは
表向き天子様を立てつつも
実はその威を借りて覇権を握りたい
つまりは天子様を利用しようという邪心が、そこに紛れ込むからではないでしょうか。

邪心。
すべての悲劇は邪心から始まる……と
お嘆きの貴兄の端くれである私。
否が応でも現在の国難に思い至ってしまうのです。

一つ、コロナ禍
一つ、コロナ禍でのオリンピック開催
一つ、今やコロナ禍と並び
  コムロ禍とまで揶揄される例の件

コロナウィルスに関しては
お隣の厄介な国が絡んでいるので
滅多なことは言えませんが
後の2つは、まさに「金」がちらつく
邪心のかたまりです。

一国の行く末を左右する力をお持ちの
政治家の方々。
実は裏でいいように政治家を操る術をお持ちの官僚の方々。
世の中の金の流れを意のままに動かせる知識をお持ちの経済界の方々。

そして、国難に晒される民草から強制的に巻き上げた金で維持されているにも関わらず
原資先を平気で怒らせる
いとやんごとなき方々、プラスそこに
ちゃっかり寄生して憚らない母子。

皆さん、このドラマを御覧になっているのでしょうか。
志半ばで命を落としてしまった志士たちを見て、思う所は無いのでしょうか。



「貧すれば鈍する」
ここにいち早く着眼し、食わねど高楊枝な根っからの武士ではなかなか口にできない、懐具合の算段を具体的に提言する篤太夫

金は人を狂わせもするし
もちろん、幸せをもたらす物でもあります。
どう転ぶかは、扱う人の心で決まるのですね。