それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

すべてに甘い 町……いや田町権太

さぁ、時間無い時間無いと
散々保険掛けまくった僕ドラ本編
『ダメな男じゃダメですか?』
いよいよ始まりました。



オープニングの権太とカツヨ
風雲急を告げるシーンは
最初の入れ替わりではなく
元に戻るための
つまり、ラストシーンであることが
二人の台詞回しで、すぐにわかりましたね。

つまりは、入れ替わった二人の違いを
しっかり表現できていたということです。
このドラマ成功の使命がクリアされたことを
初っ端で見せてきたのは良かったと思います。

権太の猫背ガニ股仁王立ちは
まさに原作のカツヨそのもので
あんなに苦労してたカツヨの雰囲気も
完全に物にしてましたよ、町田くん。

たしか(最初も最後も)入れ替わりシーンは
一番後に撮ってたようなので
積み重ねた二人の役のすり合わせは
見事に実を結んだわけですね。

一度切りの読み合わせでの覚束ない出来は
不安でしかなかったのに……
よく頑張ったなぁと、冒頭で感心しておりました。


さて、田町権太、就活の集大成
大手広告代理店「大告堂」入社試験に臨むべく
ビル内に足を踏み入れた時
運悪く、諸悪の根源、友人・岸本に捕まります。

この岸本、自分は「記念に受けるだけ」と
軽口たたき
権太の合格が決まったかのように煽てるわ
フロアで記念写真撮ろうとはしゃぎまくるわの
迷惑っぷり。

この時に権太は、岸本から勝手に
「#来春入社」の嘘投稿をアップされてしまったわけです。
もう、あれよあれよと言う間に。

この辺に、権太の「流されやすい性格」が
よく出てましたね。

騒いでいたのは主に岸本だったのに
煽てられてた権太のイケメンぶりが
偶然居合わせていた面接官・矢上部長の癇に
大いに障ったのは、想像に難くありません。

案の定、面接本番で
権太は矢上にコテンパンにやられ
あえなく撃沈、不合格となり
騒ぎの張本人岸本は受かるという皮肉。

いるんだよ、こういう
大豆田とわ子からカレーパンかっさらうような
調子いいヤツが。

と、権太の落ち込み様に同情していたのですが
振り返ると、先の「流されやすさ」で
もしかしたら岸本に一杯食わされたのかも
しれないし

この会社の面接の傾向をちゃんと把握してなかった権太にも
甘さがあったのではないかと
思えなくもない。

それくらい、目も当てられないほど
しどろもどろ過ぎました。
(この時の「咄嗟に眉を触る癖」がポイント)

挙句の果てに、公認会計士の勉強と自分探しのために留年させてくれと
実家に頼みの電話をかける始末。

「自分探し」これほど己に甘いパワーワードはありません。
これを真顔で言うヤツにロクなのはいない。

そんな失意のドン底で喘ぐ権太に一筋の光が!
それが、流されるままにアップした嘘SNS
大バズリ。

狐につままれたような表情から
まるで「お主も悪よのう」な悪代官へ豹変する
権太の顔!最高ですね!
後先考えず、今の快楽に溺れる浅はかさ。
これで、権太のオツムの出来が一目瞭然。

とうとう禁断の果実にのめり込んでしまった
権太の架空の華々しい日々は
中学から付き合い、就活失敗した権太を温かく見守り支えてきた彼女・葛西にバレることで
暗雲が垂れこめます。

SNSを舐めちゃイカンよ。

プロフィールも嘘だらけ。
彼女もいないと書かれた日にゃぁ
葛西のメンツ丸つぶれ。

怒る彼女に、権太は言うに事欠いて
「人の気持ちがわからないほうがダサい」と
言い放つ。

これも自分に甘々のヤツ言いがちなセリフ。
「誰もわかってくれない」
ああ、わからんよ。私はアンタじゃないから
「アンタの気持ち」なんてわからんよ。

そういうお前は、葛西の気持ちをわかっているのか?って、話ですよね。

売り言葉に買い言葉で
かけがえのない彼女まで失い
権太の嘘まみれ人生は拍車が掛かり
真実の絆である、親との連絡までも断ってしまいます。

留年を無心され、電話にも出ない一人息子を
心配しない親はいません。
村で唯一の定食屋を休むわけにもいかず
様子を見に東京へ
白羽の矢が祖母カツヨに立ったのであります!

そして本日のメインイベント
「身ぃ染みろぃ!」の、最初の入れ替わりと
相成ったわけですね。

冒頭にも述べましたが
このくだりを最後に撮影したのは正解だったと
思います。
二人の息がピッタリ合っていて
ボケとツッコミがハマってましたよ。



第1回目を見た限り
当初の心配は無用のような気がしております。
こんな情けない、落ちこぼれの
でも憎みきれない弱点欠点だらけのダメ男を嬉々として生き生きと見せてくれた町田くん。

黒沢のようで黒沢でない演出
(受付のお姉さんとのやり取り、見た目はいいけど云々)が
随所に見られるパロディ感覚も面白い。

特に、町田くん御本人がよく指摘される
「イケメンだけどつまらない」を
こうも堂々と演じられるのは
勇気があるからなのか、自覚が無いからなのか
ま、とにかく、かなりエッジの利いた内容で

これもひとえに、原作者の絶妙な視点のおかげでしょう。
当初の不安視が杞憂に済みそうな出来に
安堵しております。



あーあ、安心したら、急にお腹が空きました。
食堂シャン村の超大盛りチャーハン
旨そうだったなぁ。
さすが飯テロ局、テレ東ですわ。