それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

スキマは おスキですか?〈 R−15 〉

前々から気にはなっていたけど
一時の情熱が醒めて以降は、尚更
ま、テレビでやるんなら観てもいいけど的な
存在になってました
町田啓太初主演映画『スキマスキ

この度、CS放送 MONDO TV にて
祝・放映ということで観てみました。

ところで、この MONDO TV
私は密かに「飲む・打つ・買うチャンネル」と
呼んでおりまして
酒と博打とおねいちゃんの番組が目白押し。

なんてったってキャッチコピーが
「オトコを満たす MONDO TV」だもの。
そこでやるってことは、つまりこの作品
思いっ切り〈R指定〉映画だったわけですね。

あの町田くんが、あの黒沢くんが
あんなことやこんなことを
組んず解れつ致すのですか?と
ドキドキで鑑賞したわけでございます(笑)

ネタバレはもちろんですが
エロい内容の感想ですので
こちらも自主的に〈R-15〉といたします。






主人公・ヘイサク(町田啓太)は
大学受験に悉く失敗し
辿り着いた夜間部でも落第の崖っぷちにいる
おバカちゃん。

学食で「他に食べてるヤツ見たことない」と
言われている、アメリカンライスなる
どこが「アメリカン」なのかよく分からない
やたら盛りだけはいい茶色メシを

育ちの悪い幼稚園児のようなスプーンの持ち方で、ワシワシ搔き込むさまは
まさに絵に描いたようなアホっぷり。

この人が後に、あの高貴な黒沢を演じるなんて
世の中わからんもんだ。

さて、ヘイサクには秘密がありまして
それは、隙間を見ると覗かずにはいられない
「隙間フェチ」であることと

現在、落第寸前にまで追い込まれている原因
「お向かいのカーテンの隙間から見える
エロいおねいちゃん鑑賞」が止められない
という犯罪まがいの後ろめたさでしたとさ。

で、ある日、ヘイサクが学食で
いつものアメリカンライスを掻き込んでいたら
前々から、あのお向かいの娘じゃないかと
気になっていた、同じ大学の昼の部女子から
声をかけられます。

ヘイサクの友達と一緒に飲みに行くことになり
飲んでる最中も疑心暗鬼でしたが
トイレ入口の暖簾の隙間に垣間見えた姿で
彼女・フミオ(佐々木心音)が
やはり当の覗かずにはいられないあの娘であると、ヘイサクは確信します。

このフミオという女性。
もう見るからに
いわゆる「男好きするタイプ」そのもの。
特別美人ではないのに
何故か男が惹かれる要素満載の女。

半開きの口、気怠い表情、露出の多い服装
マイペースで男を翻弄、無防備な振る舞い
(ヘイサクが言うところの「スキだらけ」)
そして何より、エロい身体つき(笑)

こういう女は得てして「オツムが弱い」と
モテ要素に程遠い女共は溜飲下げがちですが
フミオはなんと、犯罪心理学を研究する
インテリだったのです。

しかもその学究的好奇心から
フミオもヘイサクのことを覗いていて
双眼鏡どころか望遠カメラで
覗き魔ヘイサクの間抜けぶりを撮りまくってました。

つまりヘイサクがバレてないと思ってた行為は
実はフミオお見通しで
逆にカーテンの隙間から、わざと
艶めかしい肢体をお見せしてたんですねぇ。

そうとは知らず、アホなヘイサクは
向こうから近付いて来たフミオに
すっかり尻子玉抜かれて大夢中。

CDを貸し借りするような仲になり
遂にフミオの部屋で初キスされて
ヘイサク有頂天。

自室で雄叫び上げるわ
急に正座してフミオのCDを聞き出すわ
恋に舞い上がる挙動不審な男の可愛さが
堪らなく愛おしいよ、ヘイサク。

さすが「様子がおかしい男」を演らせたら
水を得た魚ですね、町田くん。

我慢できず、いつものようにフミオの部屋を
覗いたら
いつものように脱ぎ脱ぎタイムが始まる。

わざわざカーテンの隙間から見える位置でってとこに、何の疑問も持たないヘイサクも
大概ですね。

ところが、さぁいよいよってとこで
フミオに来客の気配。

ガッカリでヘイサク茫然としてたら
突然フミオの親友ハナちゃんが窓辺に現れて
ヘイサクを睨みつけ
しかもフミオに抱きついたのです!

実は、ハナちゃんはレズビアン
好意を持っているフミオに言われるがまま
ヘイサクが写っている写真を現像していたけど
どうやらフミオがヘイサクに惚れたらしいと
勘付いて、問い質しに来たのですね。

最初、フミオはバイセクシャルなのかなと
私は思ったのですが
行為に及ぼうとしたハナちゃんに
「私、こういうのやらないって言ったじゃん」
と、やんわり拒否してるとこ見ると
どうもそうではないらしい。

となると、フミオに対する見解は分かれます。
性別関係なく好意を持たれる己が一番好きで
周りを翻弄して楽しむ鼻持ちならない女か
好きな人には好きな気持ちで正直に接する
子供のような無邪気女か。

後日、ハナちゃんが友達以上の気持ちを持っていることを承知で
「ヘイサクくんと遊ぶ時、ハナちゃんも来ればいいじゃん」とか言ってのけ

いつもヘイサク達が飲みに行く店と知ってて
そこに「一緒にご飯食べよう」と
ハナちゃんを平気で誘うフミオには
正直、嫌悪感しか抱けませんな、私は。

案の定、恋しいフミオがバイかもしれない
と、この世の終わりのようなヘイサクが
友達に相談してるところに出くわします。

脳天気なフミオはアッケラカンですが
ヘイサク対ハナちゃんは
安居酒屋のお座敷を、一瞬にして
一触即発の修羅場と化してしまいます。

それは、売り言葉に買い言葉のやり取りを
従業員や直ぐ傍で飲んでいる他の客達が
観客となり、否応なく見届けなければならないという
別の意味での修羅場でもあります。

この演出、劇的で印象的な効果が有るのかも
しれませんが
私は、唖然と見上げているお客さんの顔に気を取られて
正直、肝心の台詞が頭に入って来ませんでした。

ありふれた日常に
突然、極々稀な非日常をぶっ込まれると
観てる方は状況に追いつけず
ただ混乱するだけなのですよ。
ハッキリ言って「店の外でやってくれ」って話。

後でもう一度台詞を聴いてみたら
お互い自分が如何に長くフミオを好きでいたかを言い争って
勢いでヘイサクが、以前からフミオを覗いていたことを告白してしまったのです。

そこからはもう、フミオがレズでも好きだ!
俺は変態だ!覗きも止められない!と
ヘイサク怒涛の恥も外聞もない絶叫。
なぜかフミオ大笑い。
ハナちゃん、ヘイサクを平手打ち。

これら全部、衆人環視の中でというカオスですよ。

「ヘイサクくんのこと解ってほしかった」と
素頓狂なことを言うフミオに
「私に解ってほしいなら、私が無理だってことも解ってほしい」とハナちゃんド正論ですが

公共の場を弁えない振る舞いに
嫌悪感を抱く観客もいるということも
どうか解ってほしいものです。

な〜んて、R指定の映画で道徳振りかざすなんて野暮ですわね。



撮りためたヘイサク阿呆面写真が
床一面にバラ撒かれたフミオの部屋で
ヘイサクも覗かれていたことを知り
なーんだ、お互い変態じゃんってことで
フミオが早速、脱ぎ始めます。

さて、そこでお立ち会い。
ヘイサクも脱ぐのですが、童貞であることを
パンツ一丁で赤面告白するのですよ。

いやいやいや、いくらおバカでも
そりゃ無いでしょうが!

チェリまほの安達くんもなかなかの男前だけど
モッサリした出で立ちで
表情や仕草も陰キャそのものだったから
納得の童貞仕上がりだったのです。が、

ヘイサクは金髪頭にアメリカンなTシャツ姿で
ツルんでる友達も
ドレッドヘアのいかつい兄ちゃんと
怪しげなサプリを売りつけるマルチ商売かぶれ
という、個性全開の軽薄男ですよ。

百歩譲って、恋人がいなかったとしても
フーゾクやら何やらで
それこそ「ノリ」で捨て去ってても
おかしくないキャラ。

同じことが、いざ合体の態勢でもございました。
キスの後「どうしたらいいの?」だし
「(挿れるとこは)ここ?」だし
その都度、フミオが余裕のよっちゃんで御指導。

おい!ヘイサク!
チミはAVという物を見たことが無いのか?
保健体育の性教育の日は風邪で休んでたのか?

しかし、この矛盾は挿入時の会話から見える
ヘイサクの変人変態ぶりで瓦解します。

なんせ入った部分を「壮大なスキマ」と表現し
それを受けてフミオが言う
「ヘイサクくんもね、このスキマから産まれて来たんだよ」に対しても、妙に感じ入って
そのスキマをこじ開ける作業を続行できる男だったのですから。

聞くところに拠ると
純粋に快楽だけを欲する行為に
「生殖」の概念がチラつくと、途端に
男性は萎えてしまうらしいのですね。

立ち会い出産を経験した後
夫婦関係がギクシャクしたとか
妊活前提で求められると
なかなかその気になれなくて悩むとか……

産む性ではないと、どうしても
ソレはソレ、コレはコレ的な感覚で
捉えてしまうのでしょうかね。

ですので、初体験の真っ最中に
そういう話で萎えるどころか感動しちゃうって
ヘイサクの「スキマ好き」は筋金入りだと
いうわけで

そんな本格的変態なら
フーゾクなんかでうつつを抜かすなんて
一切興味無かったんだろうな、と
納得したわけです。


コトが終わった後は
観てるこっちも賢者タイム
「スキマこじ開けられて、海外留学決めた」
などと、ふざけた事抜かすフミオにも驚かず

ビックリ飛び起きたヘイサクに
「ホラ、こういう女だよ、コイツ」と
冷めた目でカマしておりましたよ、私。






〈R-15〉だけあって
全裸合体シーンは有りましたけど
不思議とイヤらしさは無かったですね。

若き町田くんのお臀部も拝めたし、満足満足。

パンツ下ろすのに屈んだ時
お臀部と脚の付け根の「スキマ」に
思わず目を凝らした私も
もしかして「スキマスキ」なのかもしれません(笑)