四つ巴の夜は更けて

前々回、前回、ちっともハマらんボケと
要らんBLもどきでガッカリ展開でしたが

主要人物４人が一堂に会した
僕ドラ・ダメな男じゃダメですか？第６話
秘密を抱える２人と権太の旧知の２人
それぞれの思惑が絡み合って
なかなか面白かったです。

途中で挫折しそうになっても見続ける。
唖然呆然の超駄作『SUPER RICH』で
鍛えられた辛抱強さは伊達じゃありません。

宮崎美子さんのお力が有ってこそと
重々心得ております。
おりますけれども、今回の町田くん
カツヨの面影がしっかり表れてて
とても良かったと思います。

たまにこういうことが起こるので
未だにこの人から目が離せないんですよね。

偶然、元カノ葛西ちゃんと再会し
今の自身の身体に死期が迫っていることも
相俟って、心ここにあらずな権太のカツヨ。

戻れねぇんなら、楽しまにゃ損だんべ
と言わんばかりにマイペース全開で
身体が入れ替わった状況すら
忘れてしまったかのような権太婆ちゃん。

その権太婆ちゃんの数々の不思議言動から
「もしや？」と真相に辿り着く
賢い中野くん。

そして、お狸様のせいで車が立ち往生し
おかげでカツヨの家に一晩泊まることになった
（これこそが「運命」だわ）葛西ちゃん。

権太がSNSで嘘を吐かなくなったのは知ってたけど、方言丸出しでしみじみ
「身ぃ染みて生きていこうと思ってんだべや」と語る本人（実は婆ちゃん）に
葛西ちゃんも、昔とは違う権太を感じます。

が、それはあくまでも「心を入れ替えた」という意味であり
まさか「人間が入れ替わった」とまでは
思い至ってません。そりゃそうだ。

権太婆ちゃんは無邪気に「賑やかでいいなぁ」
などと浮かれてますが
元カノと食卓を囲む気まずさに
権太のカツヨは居たたまれません。

しかも、よりによってその晩のメニューは
権太と葛西ちゃんの思い出のカレー。
その味を、初対面のお祖母様が再現した驚きに
権太婆ちゃんは「婆ちゃんそのもの」で
若い二人をくっつけようとします。

文章だとややこしくて分かりにくいのですが
婆ちゃんと元カノをカップルにしようと
イケメンが躍起になっているという
かなり珍妙なシチュエーションなのです。

これがとても良かった。
変な間やスベリも無く、燥ぐ権太婆ちゃん
あたふた戸惑う権太のカツヨ
気がついても良さそうなのに勘違いのままの
葛西ちゃん。

そして極めつけの権太婆ちゃんの一言
「今、お付き合いしてる人はいないんけ？」で
カオスだった食卓が凍りつきます。

別れた元カノにニコニコしながら訊く内容ではありませんわね。
面食らいながらも葛西ちゃんが「いないよ」と答えたもんだから
ますます調子に乗って煽る権太婆ちゃん。

恥ずかしいやら、バレるじゃないかやらで
権太のカツヨは「こっち来い！」と
浮かれる権太婆ちゃんを台所に連れ出し
今度は二人だけで第２ラウンド。

この小競り合いがまた、息ピッタリで
ボケもしっかり決まり
M-1の２回戦も突破しそうな出来。
（褒めすぎ？）

いやホントに、カツヨと権太が
ちゃんと権太とカツヨに見えたんですもの。
今回は褒めます。

さて、権太婆ちゃんに言い含めたのも
元の黙阿弥。
再び炬燵に戻って酔いも進み
懐かしのジェンガに興じていたら
とうとう「あの日」が甦りました。

おっ！さすがに葛西ちゃん気がついたか？！
と思いきや
権太の変わりようは、後悔からの反省と捉え
「別れた時間も無駄じゃなかった」って
そっちかい！

さっきまで散々、別れた男の口から直接
「自分たちはお似合いだ」と言われて
権太は運命の人モードから
抜け出せなくなっちゃったのかな？

いやはや盛大にズッコケました。
いいぞ、葛西ちゃん！

阿弥陀くじの有川くんにも運命感じちゃって
揺れる女心に一人悶える葛西ちゃんとは裏腹に
後輩の中野くんは冷静に状況を分析し
答え合わせの結果、二人の入れ替わりを
確信します。

夜もとっぷり更け
妙に布団をくっつけて床に就く男組と女組。
外見はそうだからしょうがないんだけど
葛西ちゃんと枕並べてるのは権太なのです。

昔のことや葛西ちゃんの本音を聴く権太婆ちゃんが
一瞬、本当の権太になった時
そして堪えきれず寝返り打って
「権太はやめといた方がいいよ」と呟いた時

私はジーンときてしまいました。
おそらく自分は婆ちゃんのまま死んでしまう。
権太を忘れて新しい幸せを掴んでほしいと
自分の口から言わなければならない辛さが
ヒシヒシと伝わってきました。

一方の男組は、色気づいた権太婆ちゃんが
「寒いときは近いほうがいいんだ」とか
わけのわからないことを言って
ジリジリと中野くんヘの距離を詰めていく。

コレ、前回と同じBLもどきシーンなのですが
今回は中野くんが既に
相手が婆ちゃんと気がついてるし
権太婆ちゃんが、なんと言いますか
もうね、男に見えないの。婆ちゃんなの。

天下のイケメンが婆ちゃんにしか見えなくなる日が来ようとは思いませんでした。

でも、このドラマ的には、町田くん的には
それで「成功」なんですよね。

ここに来て、演者のコンビネーションが
ピッタリはまり
笑いあり涙ありの満足な仕上がりを見せてくれました。

冒頭にも述べましたが
三振もあれば、時折場外ホームランもある
我らが町田くん。

コンスタントに及第点で３割打者も
いいけれど
予想外の活躍も魅力といえば魅力ですね。

いよいよチェリまほ劇場版が
来月公開ということで
いろいろと情報が小出しにされておりますが

さて、吉と出ますか凶と出ますか。
怖くて、とてもじゃないけど
私、見に行けません。

どうか大成功を収めますように！祈る！