それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

「最後のひとヒネり」の、是非です

最後の最後が賛否両論もので
(厳密には最初からかもしれんけど)
私としても、どう締めたもんやら……
いろいろ迷い、遅くなって申し訳ありません。

企画段階からああだこうだ書いてきました
「僕ドラ・ダメな男じゃダメですか?」
遂に最終回でございます。





やけにアッサリとではありましたが
入れ替わりが元に戻ったわけですから
残された問題は二つ。
婆ちゃんの病気と葛西ちゃんのお見合い
ですね。


まず、1つ目。
ギャグ漫画が原作のコメディで
「死」を扱うのは難しい。と、なれば
こりゃ「誤診でしたでズッコケる」は
薄々、有りだろうなとは思ってました。

案の定、暗い顔した医者が私服で直々訪問。
とうとう本物の婆ちゃんが自らの病を知り
既に知っていた権太が何故「戻らない」と
言い張ったのかが解せます。

戻った後もなんとかもう一度入れ替わろうと
婆ちゃんの手で自らの顔を叩いたり
「チェリまほ劇場版」の予告のような
熱烈婆ちゃんバックハグまでやっていた権太。

全ては「婆ちゃんに生きててほしい」という
孫の優しさだった。
ヒデキ感激(古い!)の婆ちゃんと
祖母を守れなかった無念の権太が
涙、涙で最高潮に達した時

それまで神妙に押し黙っていた医者が
堪りかねて言った言葉は
予想通りの「診断書は別人のでした」。

ほ〜ら、やっぱり。
呆気に取られて、医者に問い質す
すっとぼけた感じもイイぞ、町田くん!

と、思ったのも束の間
何でそんな過ちが起こったのかを
医者が告白するには
自分と患者との入れ替わりが起こったから……

ええーーっ!
奇しくも、この時の権太と同じ
「入れ替わりって、あちこち起きてんの?」
言っちゃいましたね、私も。
いやぁ、たしかに只の誤診じゃ面白くないけどさぁ。

思えば、このぶっ飛びSFぶりが
結末ヘの振りだったのかもしれません。

死の恐怖のドン底から
「カツヨさんはいたって健康」のお墨付きで
天にも昇る心地の婆ちゃん。
「死ぬの怖かったぁ。やっぱ、も一回入れ替われねぇかなって一瞬、思った」は
大笑いでした。



さて、もう一つ解決しなければならない問題は
葛西ちゃんへの思いを伝えること。
善は急げとすっ飛んで行くのか、と思いきや
権太の煮えきらなさは健在です。

グズグズしてる孫に
「入れモンが戻ったからって
中身まで戻っちゃ意味ねぇぞ!」と
ハッパをかける婆ちゃん。

背中を押されて走り出す権太。
中庭で有川くんを待つ葛西ちゃん。
もう、ハッピーエンドしかないっしょ!的な
場面にも、容赦なくヒネりを入れてきます。

なんと、葛西ちゃんを目の前にして
「お見合い、頑張って」と言い残す
ヘタレ権太。
私が葛西ちゃんなら
早くもここで一発喰らわしますね。

トボトボ肩を落として帰りかけた権太が
ズボンのポッケに手を入れると
入れ替わりが戻った後、首から外した
婆ちゃんのピンクスカーフ。
と、同時に婆ちゃんの後押しの言葉が甦ります。

当初、天下の二枚目にピンクスカーフとは
これ如何に?でしたが
今となっては、無い方が首元寂しく思えるほどしっくり来てたスカーフを
重要なアイテムに使ったのは上手いですね。

すぐに踵を返して、葛西ちゃんに思いの丈を伝え、めでたしめでたし。
プロポーズの言葉を胸に秘めて戻って来た
有川くんは、見事に撃沈で
期待どおりの「待ってろ、次の恋!」を
再び聞かせてくれました。

元通り前の権太婆ちゃんにぬか喜びさせられた
又一に続き、本日二人目の犠牲者。
心中、お察しいたします。



で、終了間際に「○年後」ってのは
よくある展開ですが
結局、群馬の畑で権太が作ったコンニャク芋で
中野くんと婆ちゃんが起業し

広告の打ち合わせの場で
あの、憎っくき矢上部長と再会するという
伏線回収、やってくれましたね。

権太婆ちゃんのアイドル挑戦が尻すぼみで
話、散らかしたまんま?と心配だったのですが
最後もしっかり、婆ちゃんが矢上部長を
ギャフンと言わせて、溜飲を下げました。
なんてったって婆ちゃん、CEOだもの。

この単語聞くの、SUPER RICH 以来ですよ。



さて、最後は本日のメインイベント。
どうやら葛西ちゃんへのプロポーズらしい。
「らしい」と書いたのは
何年経っても煮えきらない権太のせいでもあり

今回のタイトルの「ひとヒネり」で
成就しなかったからでもあります。

初めて権太が「嬉しいこと二つ言った」
思い出のあずまやに
呼び出された葛西ちゃん。

もう、権太が何を言ってくるのか
葛西ちゃん、分かってます。

権太1回目「あのさぁ」
葛西ちゃん、ドキドキ。
「単行本、おめでとう」ズコッ!

権太2回目「あのさぁ」
葛西ちゃん、手に汗握る。
「ここって、いい景色だよね」あぁ、もう!

3度目の正直、権太「じゃあ………
今日のところは帰ろうか」
葛西ちゃん、ブチ切れる。

お笑いの基本、三段落ちを見事に踏襲。

プロポーズを察知してる葛西ちゃんに
驚く権太って、どんだけ鈍いのか。
しかも「仮にそうなら、返事はどうなりそう?」などと抜かすデリカシーの無さ。

そこで当然の如く、ハイ、出ました
「身ィ、染みろぃ」の全力ビンタ!
コレが、なんとですね……

権太の部屋で、いい加減な孫に業を煮やし
カツヨが放った「身ィ、染みろぃ!」で
初めて入れ替わった場面に戻るという結末。

その時の権太のカツヨも言ってましたが
入れ替わりとループの2SFは
ルール違反じゃね?

なんですが、肝の据わった権太婆ちゃんは
カツヨのスカーフを自分の首に巻き
「なんにしても、身ィ染みて行くんべぇ」で
チャンチャンと相成りました。



さて、如何ですか、この終わり方。

もう「入れ替わり」自体がぶっ飛びなので
最後まで予想を覆す展開は
私は潔くて良かったんじゃないか、と
思うのですが

後はどうなろうと知らん的な盛り込み過ぎ
と、思えなくもない。
ここの是非を問われそうな気がするのですね。
で、ついついプレバトの夏井先生口調に
なってしまいました。




最初はホントにどうなることかと
ハラハラしっ放しでしたが
総括して、よく頑張ったんじゃないでしょうか。
ドラマも町田くんも。
(見るに耐えない物を想像してましたからね)

一応、主演作としては2作目ということですが
実質的に「ドラマ初主演」と言っても
過言ではないでしょう。

風の便りに聞くところでは
先々、何でも自衛隊を舞台に
主演するとかしないとか。
1ウォッチャーとして、助言させてください。

身体を作れ。
自衛隊は一にも二にも「ガッシリ体型」。
群馬の畑で鍬を振るうシーンは
あまりのヒョロヒョロで、現実味が無かったぞ!