それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

自衛隊は便利屋にあらず

いよいよ、自衛官としての本格始動となった
『テッパチ!第7話』
我らが宙くんは、早速手痛い洗礼を
受けることとなってしまいました。

訓練と実践、見ると聞くとは大違い
思ってたんと違う!なんてことは
自衛隊のみならず、どんな職業でも
経験することですよね。

自然を相手にしたものはもちろんですが
一番厄介な相手は、生き物、特に「人間」!
ホントに世の中にはいろんな人間がいます。

どんな無理筋が来ても
上手くコミュニケーションを取り
しかも身に付けたスキルを発揮しなければならない。

果たして、新米自衛官の宙は
初めての任務をつつがなく遂行できるのか?!

ネタバレいたします。








早速,配属された部署の先輩たちから
水鉄砲責めされるわ、大食い強制されるわ
ほとんど、体育会系大学生のノリで扱われ

歓迎なんだかイジメなんだか
宙と馬場にとっては地獄の下っ端生活で
嘆きのスタートです。

(顔にマジックで盛大に落書きされた町田くんは保存版ですぞ)

またまた偶然、廊下でバッタリの桜間に
「訓練生時代と違って緊張感あるでしょ?」と聞かれても
「あんなガキっぽい人らが国守ってるなんて
笑えるわ」
なんて皮肉混じりに答える宙。

それに対して、桜間は
「アナタ、何も分かってないわね」と
まぁ、いつもより余計に冷たい顔するのですが

いやいや、エスパーじゃあるまいし
この段階で
先輩たちの「なんとかハラスメント」紛いに
海より深〜い訳があるなんて分かりませんよ。

ここは宙の素直な感想の方に軍配ですな。
(加えて、場を瞬時に察し「俺、トイレ…」
と機転利かせた馬場もグッジョブ!)

もう、桜間さん、恐いよ~
でもね、何気ない瞬間に見せる戸惑いの表情に
フッと「女」の顔が過るんですよ。

氷のような桜間の、超貴重な「女」を
唯一人、垣間見ている宙が
惚れないわけがないんですよねぇ。
難攻不落だけど、頑張れ宙(笑)

さて、そんな彼女の
冷酷無比な言葉の意味が分からないまま
遂に、大雨警報による初めての出動を迎え
緊張もやる気もマックスの宙。

これから来るであろう大雨に備え
避難してくる近隣住民を体育館に誘導する
という任務に付いたのですが

そこには「人間ってのは、まったく……」を
実感する場面が待っていたのでした。

一度、避難場所に来ておいて
「忘れ物を取りに行く!」と言い出す住民。

コレ、絶対、本物の避難状況でも
充分有り得るパターンですね。
必ずいるんですよ、勝手なことやり出す人が。

今回は、あるお婆さんが
「大事な主人の位牌が入ったカバン」を
どうしても取りに行くと言って聞かず
その涙ながらの訴えにほだされた宙が
代わりに自分が取りに行くと言ってしまい

それを聞き付けた他の
「忘れ物を取りに行きたい」人たちが
我も我もと宙に頼み出し
困惑しながらも全部引き受けてしまうという
愚行(私は敢えてこう言います)を
宙が犯してしまったわけです。

それによって、命令されていた持ち場を勝手に離れ
結果として、次の任務に支障を来たし
怪我人を出してしまいました。

私は、自衛隊というものは
(賛否両論あるでしょうが)
「こっちから戦争を仕掛けない軍隊」だと
認識していますので

隊としての統率を乱す勝手な行為は
許されないことだと思うのです。
それは即、隊の全滅に繋がるからです。
自衛隊が無くなったら
一体誰がこの国を、国民を
守ってくれるのですか?

個人の忘れ物から、話がデカくなってしまいましたが
一つ、小さな例外を勝手に作ってしまうと
取り返しがつかない事態を招いてしまうかもしれない。
という、とても分かりやすい事例を
示してくれたと思います。

懇願する人の気持ちに応えたいという宙は
根が優しい青年なんですね。
それはそれで良いことですが

あなた、千手観音じゃないんだから
自分一人の手に余る、ましてや命令外の事態ですから
勝手に判断せず、上司や先輩に一言相談しましょうよ。

と、ここまでは自衛官・宙側の反省点。

次こそが、私の一番言いたかったこと。

住民たちよ、自衛隊は便利屋じゃないぞ!

今回、どうしても取りに行かなければならないと言っていた物。
 ・亡くなった主人の位牌
 ・銀行の通帳、印鑑
 ・家族のアルバム
 ・仕事のデータが入ったノートパソコン
 ・持病の喘息の薬
等など。

うーん、冷たいかもしれんけど
避難する時に忘れてきた時点で
「どうしても必要で大切な物」とは
言えないよねぇ。

中には、泡食って避難してきて
避難所で落ち着いてみたら
「あ、アレ持ってくればよかった……」なんて
思いついたような物まで。

これは、常日頃「まさかの事態」を想定して
避難時に何を持ち出すか
各自よーく考えとけ、という
自衛隊からの隠れメッセージなのでは
ありますまいか?

な〜んてことを思ってしまいましたぞよ(笑)

国を守る。国民の命を守る。
それは確かに自衛隊の仕事でしょう。
だからこそ、守られる側は
彼らの仕事の邪魔をしてはならないと
思うのです。




今回、大失敗を喫した宙ですが
教え子の初の出動を案じていた八女のおっさんに励まされ
そして、改めて自衛官としての使命を諭され
こうやって人は成長していくんだなぁ、と
感慨もひとしおです。

このイケメンマッチョ師弟コンビ
いいですね~~

それから、自衛官の溜まり場と思しき
居酒屋ちゅうとん家(ネーミング!)での
飲み会の場面。

パワハラ軍団かと思いきや
大木班長率いる先輩たちのムチャブリは
宙と馬場に、どんな事態にも適応する能力と
その能力を発揮できる体力を付けさせるためだったのだよ

と(多分、桜間が言ってた意味がコレ)
事の真相が分かって
二人、納得したようですが。

先輩たちのやってた行為が、ほとんど
ハラスメントと言われてもおかしくないもの
だったことを考えると

このドラマでは双方の間に
しっかり信頼関係と思いやりが感じられたから
良いようなものの

「君のことを思ってしたことなんだよ」が
イジメる側の体のいい言い訳に使われるのは
ちょっと、どうなのかな?という懸念が
無きにしも非ず。

今、コンプラコンプラって
うるさい世の中ですからね。
老婆心ながら。



それと、その場面に何故か
宙と同室の野村がいなかったのが
引っ掛かります。

彼は新入りの二人より年下ですが
自衛官としては「先輩」なので
まぁ、威張ること威張ること。

それに宙が高校時代、ラグビーの有望選手だったことを突き止め
自衛隊ラグビー部顧問に
宙の意向も無視して、勝手に渡りをつけるなど
かなりデリカシーの無い男。
(イビキも強烈だし!)

今後、他の先輩とは違う
変な動きをしてくるんじゃないかと
疑っております。
(アニメオタクみたいだし!)(笑)