それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

新選組野球部のお通りだい!

バタバタしてて「大豆田とわ子」書きそびれてたら、遂にオンエアされちゃいましたよ
町田啓太氏の土方歳三

素のこの人は嫌なんだけど
「チェリまほ」での素晴らしさは否めません。
役者として見るのは、また別の話なのです。

西何とかだか、どこだかのバーテンダーの時は
私、怒り沸点だったので観てないんですよ。
見た目が黒沢っぽかったので
観ると辛くなるから。

なので、私としては初の「黒沢以後」となる
俳優・町田啓太でございます。
しかも、あの泣く子も黙る鬼の副長土方歳三
演るっていうんだもの。
これは観なくっちゃ!



ネタばれも何も、ほんの1、2分だけ
いかにも「土方歳三参上!」って感じでした。

京に着いてフワフワしてる栄一たちの傍で
何やらざわめきが。
往来の向こうを見てた人の「出た…」の一言から
現れる新選組御一行様。

不届き者の浪士を追っていたのでしょう。
先頭切って走る土方歳三……って、おいおい。
その走り方は何なんだ?

土方自ら血眼になって追うってんだもの
そこらへんの雑魚じゃありませんよ、獲物は。
とっ捕まえたら血の雨は必至の殺気漲ってなくちゃ……

あぁ、それなのに。まるで近所の土手走ってる
部活のお兄ちゃんではあーりませんか。

武士の一大事って、もっとこう、重心低くて
身体揺らさずに空気を切り裂くような走り方の
イメージがあるから
そのワッセワッセみたいなんじゃ
ちっとも緊迫感が感じられんのよ。

出だしで「え?」なもんだから
直後の配下への命令もヌルっと聞こえて
威厳も何もありゃしない。

そしてとうとう
鳩が豆鉄砲喰らったようになっている栄一を
咎めて、土方が目線離さず近付くのですが
ごめんなさい、私には
「オイお前ら、どこ中だ?あぁ?」な兄ちゃんにしか見えんかった……

ビビりまくってた栄一は
「すげぇ目付きだ」と肝を冷やしてたけど
それほどでもなかったぞ、栄一。
何なら、お前さんの母っさまでも撃退できるくらいの小物っぷりだったぞ。

比べるのは酷かもしれませんが
同じ大河だった「新選組!」の山本耕史演じた土方は、もうお手本のような、いやそれ以上の
「土方を超えた土方」でした。

農民から成り上がる野望と
新選組の規律を乱す者は誰であろうと絶対に赦さない冷徹さ。
そして恋文が馬の餌ほど送られてきたという
美しさと男の色気。
全てを惜しげもなく体現してくれました。

余談ですが、同じ人が「きのう何食べた?」で
わがままジルベールにデレデレの小日向さんを
演じてたのですから
もう、恐れ入りましたなのでありますよ。

今回の土方で、かろうじてクリアできてるのは
ギリ美しさだけかなぁ。厳しいけど。

泣く子も黙る」って、子供でさえ感じられる
言い知れぬ恐ろしさなのですよ。
ただ睨みつけて、もっと泣かしてちゃダメなのよ。

さて、次回からは栄一にどんどん関わって
更に演技力が問われることでしょう。
私だって鬼じゃないんだから
土方歳三の片鱗を感じ取れれば、素直に絶賛いたします。

町田啓太よ、全力で見せてくれ!