それはどうかな

心に引っ掛かったことを書き留めます

ピアニシモな わたしの懸念

私の勘違いだったらごめんなさい。
『SUPER RICH』って、ギャグドラマだったんか?
もっと「金」にまつわるあの手この手の
仁義なき戦いが繰り広げられるのかと思ったら。
(中身に触れますので御注意ください)

優が追っかけた時の一ノ瀬亮の走り方に
「おや?」と一抹の不安は過ぎったんですけどね。
もう、シゲ、ふざけすぎって。

親身に心配している社員達を抑えてでも
衛が庇いたかった男が
こんな情けない、コントみたいな走り方するのか?と。



3話で心機一転、新生スリースターブックスで
ゼロからの出発。
社員も規模も縮小して、オンボロ民家から
再び成り上がったるで!

……はいいんですけど
純粋にゼロからではないですよね。
まだまだ、ン千万円のノルマ抱えて待った無しの綱渡り状態ですよね。

なのに、この緊張感の無さ。

新規蒔き直しの策に自ら「ビッグバン作戦」と
しょうもない命名するような
浮世離れ感が抜けない衛のせいだけではない。

庶民的風景と皆のユルイやり取りが
なんとなく林間学校的雰囲気を醸し出しているからだけではない。

ここへ来て、とぼけた小ネタを乱発してきたのです。

「寝てる虎を起こす」として
往年の人気漫画家北別府K先生宅を訪れ
門を開けてもらおうと
吉良邸討ち入りの合言葉のように
漫画のセリフでクリアしたとこは御愛嬌です。

が、いくら一世を風靡した天才漫画家の国民的作品と言われても、あくまでも架空なので
こちらとしては「あぁそうですか」としか思えない。

だから作品のエピソードとして
『あぶない刑事』というリアルを唐突に出されても
北別府と衛のあのノリには付いていけず
「タカとユージ」で苦笑いしかできません。

北別府を冷たく捨てた元夫の昔話では
御年60歳松田美由紀ツインテール
古田新太のヅラの毛が風になびくという
バカバカしいにもほどがあるふざけよう。

そして極めつけが、親バカ投資家の交換条件。
小学生がチラシの裏に書きなぐったような
地獄絵図(衛談)の作者は
誰がどう見てもジャイ子。実写化ジャイ子

御丁寧にペンネーム「愛羅カトレーヌ」は
ジャイ子の「クリスチーネ剛田」のもじり。
題名「ピアニシモなわたしの恋」も
ジャイ子の作品「愛フォルテシモ」から頂いたんでしょ、たぶん。

目が出ない漫画家の卵を
わかりやすく面白く表象化するとジャイ子になるのかもしれませんが
少なくともジャイ子はこの娘より遥かに画力が上であり
漫画に対しての思いや情熱も
この娘とは雲泥の差。

金の力で全てはどうにでもなるという親と
他人様の忠告や諫言を屁とも思わない娘。
国を揺るがせるやんごとなきあの親子を揶揄したい意図があったのだとしても
真面目でひたむきなジャイ子
そのイメージを被せるのはあんまりです。

ゆるい小ネタと江口のりこの取り合わせで
時効警察』を連想させますが
笑いの質もドラマの出来も遠く及びません。

金が無いのは首が無いのと同じ。
初めの緊迫感は一体何だったのか。
急な路線変更をすることが
「ジェットコースター」なのでしょうか。

それだけではありません。
辻褄の合わないところもあります。

衛にくっついて北別府邸を訪れた優が
企画書を見て顔をこわばらせた先生に
いち早く気が付いたわけですが
1話冒頭で精神科医の盗撮を見抜いた衛が
それに気が付かないのは解せません。

また、初めて北別府邸を訪れた時
門を開けてもらうだけでも簡単じゃなかったのに
その後の訪問は、いきなり玄関チャイムからです。
えっ?門、よじ登って入ったんか?ですよね。

あと、大御所が長いブランクの不安から
新人のふりして応募した作品。
ペンネームの「由布K子」は
「私、北別府Kだと気がついて!」と言わんばかりの雑さ。(別府→由布院って……)

最後は傲慢投資家親子をギャフンと言わせて
無理矢理溜飲を下げさせましたが
安易な笑いと雑な筋運びに
「思てたんと違う」感が大きくなって
この後、観続けるかどうしようか迷ってます。

せっかく町田赤楚のコンビが
「脱・チェリまほ」で新しい顔を見せてくれそうだったのに。
肝心の内容がコレではねぇ。

空・優・零子(?)→衛→亮の恋愛模様
正直、金銭問題で心に余裕が無い時
惚れた腫れた言ってる場合か?って思うんですよね。
それを言ったら身も蓋もないのですが。